こんにちは、イッショーです。暮らしを豊かにするおすすめアイテムブログを書いています。
机の引き出しで止まったままの機械式時計を、久しぶりに手に取った日のことをよく覚えています。竜頭を回しても秒針はふらつくばかりで、ガラスの内側はうっすら曇っていました。修理に出すべきか、それとも手放すか。見積もりを取る前の段階で、まず費用の全体像が分からないことが一番の壁になりますよね。
腕時計のオーバーホール費用は、正規のメーカーサービスに出すか、街の修理専門店に出すかで倍以上ひらくことがあります。しかも、かけたお金がそのまま時計の価値に返ってくるとはかぎりません。ここを知らないまま窓口に持ち込むと、あとから「こんなはずでは」となりがちです。
この記事では、実際に公開されている料金や公式の保証条件をたどりながら、費用の相場、出すべき時期、そして直すか売るかを決める線引きまで、私なりの見方をまとめてお伝えします。読み終えたころには、あなたの一本をどう扱うべきかの答えが、だいぶはっきりしているはずですよ。
- 正規サービスと修理専門店の費用の開き
- ムーブメント別に見たオーバーホールの適切な時期
- 修理代と買取額を比べて損得を決める考え方
- 次のオーバーホールまでの間隔を延ばす扱い方
腕時計のオーバーホール費用の相場
まずは金額の感覚をつかむところから始めましょう。オーバーホールは「分解掃除」と呼ばれることもある作業で、時計を部品単位までばらして洗浄し、油を差し直して組み直す工程を指します。かかる費用は、ブランド、ムーブメントの種類、そしてどこに頼むかという三つの条件でほぼ決まります。ここでは実際に公開されている料金表を手がかりに、上限と下限の輪郭を描いていきます。
オーバーホールで何をするのか
作業の中身を知っておくと、金額の理由が腑に落ちます。ロレックスが公式に示している工程を追うと、受け取り時の点検と見積もりから始まり、ケースからムーブメントを外し、部品を全て分解して一つずつ確認し、超音波洗浄でよごれを落とします。その後に乾燥、組み立て、注油、精度の初期調整と続き、ケースとブレスレットは希望に応じて磨き直しが入ります。防水性の試験を経て文字盤と針を戻し、最低24時間にわたる自社基準の試験にかけ、最後に水中での加圧試験と外観検査をしてようやく返却です。
ここまで手をかけるので、作業そのものが数週間単位になります。部品交換が必要になればさらに時間も費用も積み上がる。つまりオーバーホールは「点検」ではなく、機械を新品に近い状態へ戻すための再生作業なんですね。(出典:ロレックス公式サイト「Our servicing procedure」)
同じ作業でも呼び名が違います
メーカーは「コンプリートメンテナンスサービス」「コンプリートサービス」といった名称を使い、修理店は「オーバーホール」と呼ぶことが多いです。どちらも分解洗浄と注油を含む点は共通していますが、メーカー側は外装の磨き直しや消耗部品の交換を標準で含むことが多く、その分だけ価格に差が出ます。
正規サービスの費用感
正規サービスの金額がはっきり分かる例として、オメガを見てみます。スウォッチ グループ ジャパンが公開しているコンプリートメンテナンスサービスの料金は、機械式でスティールやチタン、セラミックのケースなら12万6,500円。貴金属素材だと15万4,000円です。クロノグラフになると機械式で16万5,000円、貴金属なら19万8,000円まで上がります。クオーツは機械式より抑えめで、スティール系が9万6,800円、貴金属が12万4,300円という設定でした。
| ムーブメント | スティール・チタン・セラミック | 貴金属素材 |
|---|---|---|
| メカニカル | 126,500円 | 154,000円 |
| クオーツ | 96,800円 | 124,300円 |
| クロノグラフ(メカニカル) | 165,000円 | 198,000円 |
| クロノグラフ(クオーツ) | 115,500円 | 148,500円 |
保証は作業完了日から2年間。メンテナンスの時期としては5年前後が目安とされています。なお、これらは診断前の参考価格で、実際の請求額は分解後の状態を見て確定する仕組みです。(出典:スウォッチ グループ ジャパン「オメガ 正規 時計修理」)
いっぽうロレックスは、日本の正規サービスについて公式サイトに料金表を載せていません。修理専門店が2026年時点で独自に調べた目安では、現行の自動巻き3針スポーツモデルでおよそ9万9,000円、デイトナやデイデイトで11万円前後という数字が挙がっています。あくまで第三者の調査値ですが、オメガの水準と近いところに収まっていると考えてよさそうです。サービス後には国際2年保証が付く点も共通しています。
修理専門店の費用感
では民間の修理専門店はどうでしょう。ある大手専門店が公表しているロレックスの料金を見ると、自動巻き3針のスポーツモデルが2万5,300円、デイデイトが3万3,000円、デイトナが4万1,800円。型番4桁以前のアンティークは3万8,500円からとなっていました。外装の新品仕上げを足しても1万1,000円前後の追加で収まり、納期は2〜3週間が中心です。
| モデル区分 | オーバーホール | 新品仕上げ込み | 納期の目安 |
|---|---|---|---|
| 自動巻き3針スポーツ | 25,300円 | 36,300円 | 2〜3週間 |
| デイデイト | 33,000円 | 44,000円 | 2〜3週間 |
| デイトナ | 41,800円 | 52,800円 | 3〜4週間 |
| アンティーク(4桁以前) | 38,500円〜 | 49,500円〜 | 6週間〜 |
正規のおよそ4分の1から半分。この差を見ると、専門店に気持ちが傾く人が多いのも当然だと思います。ただし保証は1年間が一般的で、正規の2年より短い。ここは頭に入れておきたいところです。
正規と専門店で価格が違う理由
なぜここまで開くのか。理由はいくつも重なっています。第1に、正規サービスは純正部品を無条件で使い、劣化している部品はまとめて交換する方針を取ります。パッキンやゼンマイ、時には文字盤の針まで、基準を満たさなければ替えてしまう。第2に、外装の研磨がほぼ標準で入るため、その工賃が含まれています。第3に、ブランドの試験設備と基準に沿った検査を通す必要があり、そこに人と時間がかかる。
対して専門店は、使える部品は磨いて再利用し、交換が要るものだけを替えるという判断ができます。研磨も「やるかやらないか」を客が選べる。要するに、正規は一律に新品へ近づける作りで、専門店は必要な分だけ直す作りなんです。どちらが正しいという話ではなく、目的が違うだけですね。
◆イッショーのワンポイントアドバイス
資産として持ち続けたい一本、あるいは将来売る可能性が残る一本なら、私は正規を選びます。正規サービスの記録が残っていること自体が、次の持ち主にとっての安心材料になるからです。逆に、日常づかいの相棒として使い倒すつもりの時計なら、専門店で十分に働いてくれますよ。
オーバーホールに出す時期の見極め
費用が見えてくると、次に気になるのは「いつ出すか」でしょう。早すぎれば無駄な出費になり、遅すぎれば部品交換で高くつく。ここには明確な正解がないぶん、目安の年数と、時計が出しているサインの両方から判断する必要があります。私が実際に使っている見極め方をお伝えします。
ムーブメント別の目安年数
まず年数から。一般的な目安として、機械式はおよそ3〜4年、クオーツは5〜6年、オメガのコーアクシャルのような特殊な脱進機を持つものは8〜10年といわれています。メーカー側の案内では、オメガが5年前後を推奨していました。ばらつきがあるのは、想定している使い方が違うからです。
| ムーブメント | 目安の間隔 | 理由になっていること |
|---|---|---|
| 機械式(手巻き・自動巻き) | 3〜4年 | 部品同士が常にこすれ合い、潤滑油の劣化が早い |
| クオーツ | 5〜6年 | 駆動部が少なく摩耗しにくいが、電池液漏れの点検が要る |
| コーアクシャルなど特殊脱進機 | 8〜10年 | 摩擦の少ない構造で油の消耗がゆるやか |
ただ、この年数はあくまで一般的な目安です。毎日腕に載せている時計と、年に数回しか動かさない時計では、同じ3年でも中身の状態がまるで違います。むしろ「動かしていない時計ほど油が固まる」という話もあって、保管しっぱなしが安全というわけでもないんですね。
症状から判断するサイン
年数よりあてになるのが、時計そのものが出す変化です。いくつか挙げてみます。
こんな変化が出たら点検の合図
・一日の進み遅れが、以前より明らかに大きくなった
・ぜんまいを巻いても持続時間が短くなり、止まりやすい
・竜頭やプッシュボタンの操作感が重い、あるいは空回りする
・風防の内側が曇る、または湿気の跡が見える
・秒針の動きがぎこちなく、一定のリズムを保てない
とくに風防の曇りは急いだほうがいいサインです。防水を保つゴムパッキンが硬くなって、湿気が入り込んでいる証拠だからです。水分は金属部品をさびさせ、さびは一度出ると洗浄では戻せません。この段階で持ち込めば通常のオーバーホール代で済んだものが、放置すると部品交換で倍近くになることもあります。
放置したときに起きること
では油を差さないまま使い続けると、中で何が起きるのでしょうか。潤滑油は時間とともに乾いて粘りを失い、やがて歯車の軸と受け石の間で油膜が切れます。金属同士が直接こすれ合えば、当然すり減る。すり減った部分はわずかな隙間を生み、それが精度のずれとして表面化します。
さらに進むと、削れた金属粉が油に混ざって研磨剤のようにはたらき、摩耗を加速させます。ここまで来ると洗浄と注油では戻せず、歯車や受け石そのものの交換が必要です。ムーブメントを丸ごと載せ替える判断になれば、費用はオーバーホール数回分に届くこともある。だから「まだ動いているから大丈夫」という判断が、いちばん高くつきやすいんです。
止まってから持ち込むのは遅い
完全に止まった時計は、すでに内部で摩耗が進んでいる可能性が高い状態です。この場合、見積もり額は通常のオーバーホール料金では収まりません。部品の在庫がないアンティークでは、そもそも修理を断られることもあります。動いているうちに出すのが、結局いちばん安く済みます。
直すか売るかの損益分岐

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。オーバーホールの見積もりを見て手が止まるのは、金額そのものより「このお金をかける価値があるのか」が分からないからでしょう。修理代と時計の残っている価値を並べると、判断の軸が急にはっきりしてきます。
残価と修理代を比べてみる
考え方はシンプルです。いま手元の時計を売ったらいくらになるのか。そして直すのにいくらかかるのか。この二つを並べて、修理代が残価の3割を超えるかどうかを一つの線にしています。
たとえば買取相場が80万円のロレックスを10万円で正規オーバーホールに出すなら、修理代は残価の12%ほど。これは迷わず直す場面です。手入れをして使い続ければ、次の10年もその価値を保ちながら腕に載せられます。反対に、買取相場が5万円ほどの国産クオーツに3万円かけるとなると、話がまるで変わる。愛着という理由があれば別ですが、経済合理性だけで見れば釣り合いません。
私が使っている三つの線引き
・修理代が残価の3割未満 … 直して使い続ける
・修理代が残価の3割〜7割 … 思い入れの強さで決める
・修理代が残価を超える … 手放すか、動かないまま保管する
高級腕時計がどれくらいの値を保つのかは、モデルと年式で大きく変わります。相場の見方については、高級腕時計メンズの資産価値と買取相場を扱った記事で詳しく書いているので、あわせて読んでみてください。
売るならそのまま出すのが得
ここで多くの人が誤解しているポイントがあります。「オーバーホールしてから売れば高く売れるはず」という考え方です。結論から言うと、これは逆になることがほとんどです。
買取店側の説明によれば、メンテナンス前の査定が6万円、実施後が8万円という例があったそうです。差は2万円。ところがオーバーホール代が2万円を切ることはまずありません。つまり、かけた費用を査定額の上昇が上回らない。しかも中古市場に出た時計は、買い手が付いた後に販売店側が自社の基準で整備し直すのが普通です。あなたが払った整備費は、そこで二重になってしまうわけですね。
動かない時計でも、そのままの状態で無料査定に出して現在の価値を確かめるほうが、手順としてずっと合理的です。査定は無料のところが多いので、まず金額を知ってから直すか売るかを決めても遅くありません。
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直すか売るかは、査定額を見てから決めても遅くない
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手放す前に確かめたいこと
売ると決めたときに、査定額を左右する要素をいくつか押さえておきましょう。まず付属品です。箱、保証書、余りコマ、購入時のタグ。これらが揃っているかどうかで、同じ個体でも金額が変わります。とくに保証書は正規品であることの裏づけになるので、探しておく価値があります。
次に外装の扱い。汚れは柔らかい布で軽く拭う程度にとどめ、研磨剤の入ったクロスや家庭用の洗剤は避けてください。自分で磨くとケースの角が丸くなり、かえって評価を下げます。傷は査定士が見慣れているので、無理に隠さなくて大丈夫です。
最後にタイミング。為替や金相場、モデルの人気度で買取価格は動きます。急ぐ理由がなければ、複数の窓口で見積もりを取って比べるのが基本ですね。宅配買取なら自宅から送るだけなので、同時に何社か当たっても手間はそれほど変わりません。
◆イッショーのワンポイントアドバイス
私は「売るかもしれない時計」と「一生使う時計」を最初に分けて考えるようにしています。前者は正規の記録を残しつつ、相場が良いときに動く。後者は費用対効果を気にせず、気持ちよく使える状態を保つ。この線を自分の中に引いておくと、見積もりを見たときに迷う時間がぐっと減りますよ。
費用を抑えて長く付き合うコツ
オーバーホールは避けられない出費ですが、頻度と金額はある程度こちらでコントロールできます。日々の扱い方を少し変えるだけで次の分解洗浄までの間隔は延ばせますし、修理に出している間の空白期間をどう埋めるかでも満足度が変わります。ここでは実際に効いた工夫を並べます。
日々の扱いで間隔は延ばせる
いちばん効くのは磁気を避けることです。スマートフォンやノートパソコンのスピーカー部分、タブレットのカバーに入った留め具の磁石。こうしたものに時計を重ねて置く習慣があると、ひげぜんまいが帯磁して精度が狂います。帯磁は分解せずに直せるケースもありますが、放っておけば当然オーバーホールの前倒しにつながる。机の上での定位置を決めるだけで防げます。
次に温度と湿度。直射日光の当たる窓辺や、湯気のこもる浴室近くは避けたいところです。汗をかいた日は、その日のうちにケース裏とブレスの隙間を乾いた布で拭き取る。これだけでパッキンの劣化速度が変わってきます。
自動巻きを複数本持っているなら、ワインダーで定期的に巻き上げておくのも手です。長く止めたままにすると油が一箇所に偏って固まりやすいので、ときどき動かしてやるほうが機械には優しい。収納ケースも、クッションが効いていてほこりが入らないものを選べば、ガラスや外装の小傷を減らせます。
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止めっぱなしにしない、ほこりに触れさせない
ワインダーは自動巻きをゆっくり巻き上げ続けてくれる道具で、油が一箇所に固まるのを防いでくれます。回転の向きと1日の回転数を設定できるものを選ぶと、手持ちのムーブメントに合わせられて便利です。収納ケースは内張りが起毛で、ふたにパッキンが入ったタイプだと外装の小傷とほこりを同時に減らせます。
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修理中の空白をどう埋めるか
オーバーホールに出すと、早くても2週間、正規なら1〜2か月は手元に戻りません。この間、腕が寂しくなるのは思っている以上にこたえます。だからといって間に合わせの一本を買い足すと、本末転倒になりかねない。
私が使っている手は、月額制のレンタルで別のブランドを試してみるという方法です。修理の待ち時間を、気になっていたモデルを実際に着けて確かめる期間に変えてしまう。次に買う一本の判断材料が手に入るので、空白がむしろ有意義な時間になります。サイズ感や重さは、写真や店頭の数分ではつかみきれませんからね。
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預けている間に、次の一本を腕で確かめる
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依頼先を選ぶときの物差し
最後に、どこに頼むかの判断軸です。価格だけで選ぶと後悔しやすいので、次の点を見比べてみてください。
見積もりを取る前に確かめたい五つ
・見積もりが無料か、分解後に金額が変わる条件はどうなっているか
・保証期間は何年で、対象は精度だけか作業箇所全体か
・純正部品を使うのか、汎用部品での代替があるのか
・外装研磨が標準に含まれるか、選べるか
・時計修理技能士などの資格者が在籍しているか
とくに三つ目は確かめておきたいところ。将来売る可能性のある個体で社外部品に替えられていると、査定で減点される場合があります。使い続ける前提なら問題にならないことも多いので、ここも「売るかもしれないか」で答えが変わるわけです。
どのブランドを持っているかによって選択肢も変わってきます。ブランドごとの位置づけを知りたいなら、高級時計ブランドの格付けを解説した記事が参考になるはずです。
オーバーホール費用に関するよくある質問(FAQ)
Q1. オーバーホールの費用は何で決まるのですか
A. 大きく三つです。ブランドとモデル、ムーブメントの複雑さ、そして依頼先の区分。クロノグラフや永久カレンダーのように部品数が多いものほど工数がかかり、金額も上がります。ケースが金やプラチナだと素材の扱いに手間が増えるため、同じムーブメントでも数万円の差が出ます。そこに正規か専門店かという条件が乗って、最終的な見積もりが決まる形ですね。Q2. 正規と修理専門店、どちらを選ぶべきですか
A. 将来売る可能性があるなら正規、使い倒すつもりなら専門店、というのが私の基本線です。正規は純正部品と自社基準の検査が保証され、サービス記録も残ります。中古市場ではその記録が評価されやすい。専門店は費用と納期の面で明らかに有利なので、資産価値を気にしない一本には向いています。予算と目的の両方から決めてください。Q3. 何年も動かしていない時計でも受けてもらえますか
A. 多くの場合は受けてもらえます。ただ、長期間止まっていた時計は油が固着し、さびが出ていることもあるため、通常のオーバーホールに部品交換が加わりがちです。見積もりが当初の案内より上がる前提で持ち込むほうが気が楽でしょう。部品の供給が終わっている古い機種では、修理そのものを断られる場合もあります。Q4. オーバーホールすると買取価格は上がりますか
A. 上がることはありますが、かけた費用を上回る幅にはなりにくいです。買取店の説明でも、実施前後の査定差が数万円にとどまり、オーバーホール代がそれを超えてしまう例が挙げられていました。売却を決めているなら、動かない状態でもそのまま査定に出すほうが手元に残る金額は大きくなります。Q5. 見積もりより請求が高くなることはありますか
A. あります。メーカーも修理店も、最初に提示されるのは分解前の参考価格で、実際の金額は中を開けて部品の状態を確認してから確定します。交換部品が増えれば当然そのぶん上乗せです。だからこそ、追加が発生する場合に連絡をくれるか、承諾なしで作業を進めない運用かを、預ける前に確認しておくと安心ですよ。
腕時計のオーバーホール費用のまとめ
ここまで見てきた内容を振り返りましょう。腕時計のオーバーホール費用は、正規サービスならおよそ10万円前後から、複雑な機構や貴金属ケースで20万円近くまで。修理専門店ならその4分の1から半分で収まることが多く、代わりに保証期間は短くなります。どちらを選ぶかは価格だけでなく、その時計を資産として扱うのか、道具として使い切るのかで決まってきます。
時期については、機械式で3〜4年、クオーツで5〜6年が一つの目安。ただし年数以上に大切なのは、精度の乱れや風防の曇りといった変化を見逃さないことです。止まってから持ち込むと費用がふくらむので、動いているうちに出すのがいちばん安上がりでした。
そして直すか売るかの判断は、修理代が残っている価値の何割にあたるかで考えると迷いが減ります。売ると決めたなら、手をかけずそのまま査定へ。かけた整備費が査定額に返ってこないことは、買取の現場が示している通りです。
一本の時計と長く付き合うというのは、買って終わりではなく、直しながら使い続けるということでもあります。費用の全体像をつかんだいま、あなたの手元にある時計をどう扱うか、その答えはもう見えているのではないでしょうか。
- 高級時計はいくらから?初めての予算目安と価格帯別の選び方を解説オーバーホール代まで含めた「維持できる価格帯」を考えるなら、まず本体予算の相場から。10万円台から始める現実的な組み立て方を価格帯ごとにまとめています。
- 20歳のプレゼントに選ぶ一生モノのメンズ腕時計これから長く付き合う一本を贈るなら、維持のしやすさも選定基準になります。ロレックスやオメガを含め、節目の贈り物にふさわしいモデルを紹介しました。

